商品開発士とは
■日本商品開発士会/一般社団法人日本販路コーディネータ協会
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商品開発士は、これまでに、経済産業省、中小企業庁、中小企業整備機構、全国中央会、全国地方自治体、公的支援機関様等の支援等を受けて活動を行ってきました。公的各種委員の委嘱等、わが国の商品開発やマーケティング業務など、専門家、コンサルタントを擁する専門家集団として先駆的役割を果たしてまいりました。
当協会ではこれまでにない新たなビジネス理論である『マネジメントマーケティング』の考え方に基づき活動を進めてまいりました。マネジメントマーケティングとは、川下から川上を見つめ、経営全体、経営の根幹までを含めて構築する、いわば「市場の視点」から企業の活動全体をプロデュースするものと言えます。
商品開発士
商品開発士の仕事は、技術系のコンサルタントや経理、財務系のコンサルタントと異なり、「市場からの視点」で商品を評価し、新商品開発、改良のほか、マーケティング、販売戦略、販売促進の助言・指導、また、実践的な商品開発の助言指導を行なうことができる知識とスキルを要します。
さらに、資格を取得して終わりではなく、長く、信頼と実績に裏付けられた活動を行なっており、資格取得後も、その活動をフォローし、経済産業省認可の「JRMセールスレップ・販路コーディネータ協同組合」とともに、国や地方公共団体などの公的支援事業活動を行なっています。
全国規模で資格取得者が在籍し、フォローアップ研修やスタートアップ研修の他、定例の研究会や交流会なども行なわれています。また、各地の公的機関などの専門家登録者や講師として、活躍する方が多く在籍し、実践的な活動を行なっています。
商品企画・・・商品開発士主要科目から
商品開発士は、「商品企画10のステップ」を軸に実践的な人材養成を行なっています。商品企画10のステップの手順の最初はまず「仮説を立てる」ことです。経営資源やミクロ・マクロの外部環境与件を有効に活用するために、経営者がたてた仮説は、経営者の頭の中にしまわず、チームに明示することが望まれます。組織の大きな課題である「共通目標・貢献意欲・コミュニケーション」の3点を醸成するのに効果的だからです。
また、自社のメリットより顧客のメリットを想定して顧客からヒアリングをしやすくすることも重要です。市場の声を社内フィードバックできるような体制も常に準備しておかねばなりません。『市場の視点』に立ってマーケティングを考えれば、不確定な要素や問題点を早く明示することで、つくってしまってから市場に受け入れられずに不良在庫になることもないでしょう。
次に、市場ニーズにマッチした商品開発かどうかの検証です。市場調査の実施を通じて、対象市場の市場環境や、市場ニーズを明確化する。これにより市場ニーズにマッチしない商品開発や、成長性が乏しい、あるいは予想していたより市場規模が小さいマーケットへの新製品の市場投入を防ぐことができます。次はアイデア発想ですが、当社が新商品を開発するとすれば、こんなものをやるべきというイメージを持っている人は多いものです。
そこで、その商品を使う側からの検証が重要です。そのためのアイデア収集、分析を行います。ただし、アイデア発想法をいかに理解したとしても、そのメンバーに商品知識が欠けていたり、理想論ばかりではなかなか着地しません。いくら目新しくても、経験や歴史、商品知識、技術などを理解していない素人集団では、そのアイデアや発想は失敗することになります。
実際、商品知識がある人のアイデア発想が必要です。よく、「センミツ
(千回トライして、2つか3つしか成功しない)といわれますが、素人の発想ではなかなか継続的なアイデアは得られないということになります。
JMC(日本販路コーディネータ協会)グループとしての専門領域としての大まかな棲み分けは、主として[商品企画のプラン立案]においては商品プランナーや商品開発士が行なっています。
また、[マーケティングや流通チャネル、及び高度な新商品開発]に関しては販路コーディネータ1級が、[経営全般に関するコンサルティング]はマネジメントマーケティング・アドバイザー(BMA)が、また[地域活性化の取組みや、観光振興]においては、観光コーディネーターがその専門家として活躍しています。
商品プランナー、商品開発士における研鑽は、商品企画の基礎的知識とスキルのほか、デザインコンセプトメーキング、ネーミング、著作権他、商標、意匠法な基礎的な知識と関連法規や、広報、広告、マーケティング等に関する知識・技術のみならず、企画・提案力、クレーム処理を含む社会人基礎力、問題解決力、プレゼンテーション力、コミュニケーション力などの多少高度な知識・技術も必要となってきます。
商品開発士、独立者、専門家としての活動
独立事業者では、フォローアップ研修やスタートアップ研修、他、定例の研究会や交流会などを実施、商品開発だけにとどまらず、商品、販売、販促、技術などのスキルと知識を持った人材を養成しています。
商品開発士一斉試験
商品開発士は、毎年全国6会場で一斉試験が行なわれています。
【主な仕事】
商品開発には大きく分けて、まったく新たな商品の創造開発と、既存商品を、改善、磨き上げる(ブラッシュアップ)ような開発があります。商品の開発サイクルは、短いもので数ヵ月、長いものだと数年、その商品特性によっても、各事業者によっても、商品企画の仕事内容は大きく異なります。
(1)理解/開発方向(テーマ)の決定
経営戦略と商品戦略を理解し共有する。自社の実態の把握と制約事項の確認をする。
@
プロジェクトの前提条件や市場環境、技術など面などについて整理し、あらかじめ理解する。
A
スタッフ全員でディスカッションを行い、プロジェクトにおける課題を明確にする。
B
問題意識の共有化を図るとともに解決の方向を決める。
・公開されている情報の収集と分析
(2)観察/商品開発計画、開発アイテムと対象市場決定
生活者、利用者の実態、状況を、観察やインタビューにより情報収集し、把握する。
@
ターゲットとなる人が日常行動をどのような状況で行っているのか、何に混乱しているのか、何を好み、嫌うのかを調査する
A
市場における競合製品・サービスに対する意識や利用状況の把握する
C収集した調査データから問題の全体像を把握する。
・フィールドワーク、グループインビューによる情報収集と分析。KJ法による情報化など。
(3)視覚化/事業化
企画(開発)案と商品企画案との評価を行い、デザインコンセプトを決定する。
「利用者(市場)の視点、自社(企業)の視点」、双方の問題解決し、事業性の分析を行う。著作権や商標、特許権などの知識も必要となる。
@
利用者、市場の視点で、調査データの分析により潜在ニーズを抽出。ニーズを満たすための「デザインコンセプトを明示し、そのデザインに求められる要件」の定義を行う。
A
利用者のゴールを満たすためのシナリオを用意する。
B
自社(企業)の視点で、業務プロセスや技術などの要件を抽出する。
C
双方の比較優先度をつけ、実施要件を絞り込む。ターゲットのニーズを満たす自社のシーズの応用、展開を検討し、アイデア案を絞り込む。
D 開発商品アイテム、対象市場の決定
・感性、トレンドの観点から、当該商品の競合状況、生活者の意識や価値観、市場のセグメンテーションおよびターゲティングを行う。
・ペルソナ、ストーリーボード、アイデアスケッチなどによる視覚化。
(4)評価と改良/実験・検証・ブラッシュアップを行い、商品デザイン決定する
デザインによる解決案(プロトタイプ)を作成し、最適化を図る。
@ デザインテイストのトレンドを仮説する A
コンセプトメイキング B
問題解決具体案(デザイン案)決定する。 B
ユーザーや専門家に評価してもらい問題点を抽出する。
C テストで明らかになった問題点を改善する。 Cデザイン決定
・プロトタイタイピング、ユーザーテストによる実験など。
(5)実行/生産・在庫・出荷、市場導入計画
最終解決案を決定し、市場に出すために必要な準備を行う
@ 商流…取引・決済の流れ A 物流…物の流れ(輸送・保管・在庫など)B
情報流…情報の流れ。
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