観光コーディネータとは
観光コーディネートを通じた地域活性化は、地域内の観光業、サービス業、農林畜水産業や、食品製造業、食品卸売・小売業、飲食店業等の観光関連産業が一体となって、はじめて実現される。観光コーディネーターの大きな役割は、地域の「エリア・アイデンティティ」を構築・確立し、「地域ブランドづ
くり」に取り組むことが、最も重要な役割となります。
1.エリア・アイデンティティ(AI)
エリア・アイデンティティ(AI)とは、一般には、地域の独自性を高め、表現することにより、その地域の活性化を図ることをいいます。町おこしや村おこしという言葉に象徴されるような地域の独自性を実体化すると共に、地域内外への情報発信を行ないます。
これによく対比されるものに、コーポレート・アイデンティティ(CI)がある。これは、一般に顧客からみて企業を識別できるような、その企業に特有のものを外部に公開することで、その企業の存在を広く認知させるマーケティング手法といわれます。CIの構成要素としては、社名、ブランド名称、ロゴ、コーポレートカラー、スローガン、コンセプトメッセージなどをあげることができます。
エリア・アイデンティティも、グローバル化の進行・地域活性化施策のあり方などが進行のなかで、他の地域との差別化を図るため、その構築・強化が必要とされています。
2.地域ブランド戦略の取組みとその課題
「地域資源と観光資源」を活かした振興化策においては、地域ブランド戦略の構築とマーケティングが大切です。さらに、地域のブランド化をすすめていくためには、地域ブランドには「二つの側面」があることを理解する必要があります。
ひとつは、地域そのもののエリア・アイデンティティ=地域ブランドの構築と確立であり、もうひとつは、商品ブランドとしての「地域特産ブランド」(特産品と特産物)を含む観光商品です。
地域ブランドによるエリア・アイデンティティの確立は、地域のブランドイメージを向上し、広くモノやサービスが売れるという経済的効果のほかに、地域住民にとっては、地域に対する愛着や誇りを生み出し、地域の活力にもつながる効果も有します。
また、商品ブランドとしての地域特産ブランドのアイデンティティ確立は、ある特定地域が有する歴史、文化、自然と特産品や伝統工芸品、工業技術など、地域固有の風土を生かして生み出された他の地域とは異なる独自のブランド価値の確立であるともいえます。地域では、コーディネーターを外部から調達することも可能だが、持続的に地域の課題を解決する仕組みを構築するためには、そういった人材を育成できる組織や、プロジェクトを構築することが必要となってい、ます。
3.観光コーディネーターの育成
観光地域づくりに必要な人材の役割については、マーケティング、営業、広報、商品開発など専門的な役割を担い、コーディネーターがそれらの専門的な人材を取り纏めて地域を牽引する役割を担うなどの組織やプロジェクトなども必要です。
さらに、今地域では、体験メニューや着地型旅行商品、地域特産ブランドや、観光特産品などの商品を開発し、流通させることで、地域経済活性化のための仕組みを構築することのできるコーディネーターレベルの人材を必要としています。
日本観光士会を運営する(社)日本販路コーディネータ協会は、日本で唯一、プロフェッショナルのマーケティングコンサルタント「販路コーディネータ」を養成し、資格認定を行っている団体です。いままで、協会が取り組んできました国、地方公共団体様などの公的マーケティング支援事業などを展開してきた団体です。
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